学会の沿革
日本のフッ素化学の研究は、1952年に名古屋工業試験所(現在の産業技術総合研究所)で開始され、60年の歴史を有しております。
かつて、有機合成化学協会の中にハロゲン懇話会があり、ハロゲン化学討論会が開催されていました。ここから、1972年にフッ素化学懇談会が設立され、1975年には第1回目のフッ素化学討論会が開催されております。
その後、故石川延男東京工業大学教授が1979年に日本と旧ソ連との合同シンポジウムを開催し、数回にわたり国際交流に貢献されました。
さらに、1990年に、故渡邊信淳京都大学教授が中心となり、日本学術振興会に第155委員会が設置され、フッ素化学に関する産学官の学術交流が活発に行われるようになりました。
また、同委員会が中心となり、日仏セミナーや日中韓セミナーが定期的に開催されるなど、国際学術交流も活発に行われて来ました。
一方、フッ素の創薬化学の進展には故小林義郎東京薬科大学教授が大きく貢献されました。
このように日本のフッ素化学に関わる学術活動は個別になされて参りましたが、フッ素の科学技術に対する社会的要請に積極的に応えるべく、2008年に日本フッ素化学会が設立され、新たな活動を開始しました。2019年、日本フッ素化学会はさらに大きく発展すべく、一般社団法人(非営利型)へ移行致しました。