会長

京都大学大学院
エネルギー科学研究科
昨年11月16日付けで日本フッ素化学会の会長を拝命しました。本会は市川前会長の任期中の令和3年度に一般社団法人化され、学会として新たな船出をいたしました。直後のこのような時期に会長をお引き受けすることになり、大変光栄であるとともに、重責に身の引き締まる思いをしております。至らないところが多いかと存じますが、皆様なにとぞよろしくお願い申し上げます。
私は日本学術振興会の産学連携事業である、フッ素化学第155委員会(以下委員会)の第6期の委員長を務めさせていただいておりましたが、30年続いた同委員会は、1期5年以降の継続を今後は認めないという日本学術振興会の突然の方針転換により、第6期の終了をもって、解散のやむなきに至りました。私の代で長く続いた委員会を終わらせてしまうということで、大変残念な思いをいたしました。
多くの学界、産業界の会員が本会、委員会の両方に参画しておられましたので、長い間この2つの団体が両輪となって、日本のフッ素化学を牽引してきたことはご存じの方が多いと思います。委員会は解散しましたが、幸いなことに、本会が法人化されたことで、学会としての産学連携事業の自主継続が認められ、新たに本会に産学連携部会が設置され、山崎部会長のもと、本年度より新たな活動を開始しております。
委員会は、産学間の情報交換、国際交流、若手育成を活動の三本柱としておりましたが、このうち産学間の情報交換会を産学連携部会が引き継いでいます。あとの2つの国際交流や若手育成活動は、これまで委員会と本会で分担して行ってきていますが、今後は本会の活動として一本化されていくことになります。これまでの年会に当たるフッ素化学討論会、最先端のフッ素化学や関連技術についての情報を提供し普及を図るフッ素化学セミナー、フッ素化学に携わる若手研究者や次世代のフッ素化学を担う学生の交流と育成を目的とするフッ素化学若手の会、日本各地でのフッ素化学の普及を目指すフッ素化学研究講演会に加え、委員会が続けてきた日仏、日韓中などの二国間、三国間会議、初学者向けの講習会、国際会議の開催なども、本会の活動として復活継続、あるいは学会活動との統合などを理事会で検討していきたいと思います。
現在は新型コロナ感染の影響により、当学会も他の学会と同様、その活動に制限を余儀なくされておりますが、討論会や部会なども関係各位のご尽力により、オンラインでの開催を行い、着実に新体制での活動が進められております。学会としても皆様のご意見を踏まえて、大きく生まれ変わる時期を迎えていると感じております。皆様のご理解ならびにご支援のほど、改めてお願い申し上げます。
令和4年1月吉日
日本フッ素化学会会長 萩原理加