日本フッ素化学会

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会長

米沢 晋
米沢 晋
福井大学大学院
工学研究科

 2023年11月29日の総会、理事会の議を経て日本フッ素化学会の会長を拝命いたしました。過去3年程度のCOVID-19感染症による影響から脱し、特に人流という点では活性化されてきているこのタイミングでの会長拝命に、重責を感じつつ、本学会の活動が活性化していく流れを作っていけるよう努めたいと思っています。
 私自身、この10年間程の間、所属大学において、通常の研究とともに産学連携を推進する職務を得、かなり大学という枠からはみ出した活動をしてまいりました。社会のあるべき将来像を様々な立場の人が共有し、その実現に向けて協働するといった「共創」活動に従事してきたのですが、そこで重要となるキーワードのひとつが「オープンイノベーション」です。あらっぽい言い方をいたしますと、要はスピード重視で、あまり組織の境界を意識せず使えるものは何でも使うという姿勢だと理解していいと思うのですが、いわゆる「学会」という学術の高度化を基本理念とする集団においても、このトレンドにどう対応していくのかを考える必要があると思っています。
 ありがたいことに、本会では多くの企業会員の方々が積極的な交流に応じていただいており、また、学術界の方々も主体的に情報発信に努めていただくなど、オープンな議論ができる雰囲気を醸していただいております。これは本会が学会となる前からの知の集積と文化、さらには、本会産学連携部会における密な産官学連携関係などの相乗効果により形成されているものであり、萩原前会長をはじめ、この土台を構築してきていただいている皆様のご貢献に心より感謝を申し上げつつ、発展を目指していきたいと考えております。
 実は先日、最近話題の生成系AI、CHAT-GPTにいくつかの質問をしてみておりました。ご存じの通り、この1年ほどで世界を変えてしまっている破壊的イノベーションを誘発するツールなのですが、とある質問に対し「私は感情や個人的な経験を持たないため、直接的な感想を表現することはできません。」という回答をしてくれました。このことを生成系AIに気づかせてもらうという事実もどことなく面白いと感じてしまうのですが、いずれにしても、我々「学会」に求められていくのは、この感情、経験、感想の共有なんだろうなと思案した次第です。対面や遠隔、そのハイブリッド、文書のやり取り、SNS的なつぶやき等、使えるものは何でも使っていくように努め、会員が属していて良かったと思っていただける学会としていけるよう、力を尽くしたいと思っております。歴代会長のお仕事を思いますと、かなり配慮や慎重さ等で至らないところが多くなってしまうかと存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

令和5年11月吉日

日本フッ素化学会会長 米沢 晋

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