日本フッ素化学会

日常生活を豊かにするフッ素化合物

フッ素は塩素、臭素、ヨウ素と同じ仲間ですが、有機化学の教科書でフッ素を含む化合物を対象とした事例や解説は、専門書を除き極めて少ないのが現状で、そのためにフッ素という元素名は知られていても、何の役に立つのか一般には知られていないようです。

フッ素化合物は、耐薬品性、耐熱性、耐光性、非粘着性、撥水撥油性、低摩擦性、電気絶縁性、放射感応性で、屈折率や誘電率が低く、特異な生理活性などを有し、他をもって替えがたい性質を有しております。フッ素系材料としては、30年以上塗り替えずにすむ超耐候性のフッ素系塗料、10年以上張替えしないですむ農業用ハウスのフッ素系フィルム、繊維・皮革の撥水撥油性加工剤などが例として挙げられ、住環境や自動車にもフッ素が省エネルギー・省資源に大いに貢献しています。また、半導体やIT産業を支えているのもフッ素ですし、さらには、リチウム二次電池、燃料電池などのクリーンエネルギー開発などにも、フッ素系材料が大活躍しております。

一方、生理活性物質に目を転じれば、高脂血症治療薬として世界で一番売れている医薬品もフッ素を含んでおります。また、小説「白い巨塔」でも紹介された5-フルオロウラシルは抗癌剤として古くから使用されており、難病とされている膵臓癌にも効くフッ素系抗癌剤が開発されています。最近、上市された緑内障治療薬にもフッ素が含まれています。

また、病巣を迅速・的確かつ非破壊的に検出できるFを利用したPET(陽電子断層撮影法)は先進医療科学を支える診断法として重要性が増しています。さらに、農薬もフッ素系のものが主流になりつつあります。

このように、フッ素は学術的のみならず、工業的、医学・薬学的にも大変興味深い元素であり、フッ素化合物は我々の日常生活を豊かにしてくれるキーマテリアルといえます

新着情報

  • 第22回フッ素化学国際会議 
  • 第18回フッ素化学ヨーロッパ会議
  • Bremen FluorineDays